2004.05.31

美鳥の日々 #09 タッキー no 日々 (2004.05.31 - 23:29:50)

 第 5 話以降脱落してしまって見たり見なかったりだったが,さる筋からの情報で「もしや」と思いスケベ心出して録画してみたら面白かった (笑).基本的に後味の佳い,悪く言えば毒にも薬にもならん作品なので厭味なく仕上げられていて好感が持てた*1というところ.『ドッコイダー』の第 8 話「妹LOVEでドッコイ」ほど突っ走らなかったのが,この場合勝因か (笑). A パート のストレートなクレシェンドは文句なく 92 点, B パート は並で 48 点 (点数に深い意味なし).あと,中の人が同一人物なので,美鳥がときたまマイア声になるのも可笑しい.

 「ハルハラ高校の滝口由真」て,『フリクリ (FLCL)』?

*1: 『ドッコイダー』にしろこれにしろ,面白がってられるのは「こいつらはおれとは違う」と確信しているからだが,端から見ればそれは単なる思い込みに過ぎなくて,目屎鼻糞だったりするのかも知れない.その場合,自覚症状がないだけに厄介かも.檻の中の生物を見て面白がっている自分が檻の中に居たりしてな.そうなると気付かずに自虐ネタに笑っているわけだ (笑).

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ディック『マイノリティ・リポート』,『追憶売ります』 (2004.05.31 - 23:16:23)

 というわけ で中休みも兼ねて読み返してみた.正直すっぱり忘れてました,っつ〜か,『シビュラの目』とごっちゃになってた (笑).

  • フィリップ・K・ディック "マイノリティ・リポート", ディック作品集 浅倉久志 他 訳, ハヤカワ文庫, 1999, ISBN4-15-011278-9, (Phlip K. Dick "The Minority Report", 1956, "We can remember it for you wholesale", 1966)

 『マイノリティ・リポート』,『トータル・リコール』ほど破天荒じゃないけど,例によって原作に沿っているのは基本設定のみ.ジョン・アンダートンを二分割幽霊綺譚にしたのは意味不明.下世話に取れば,トム・クルーズを主演に据えたからだ.ヘタレである.原作で殺される重要人物は一人だけだが,映画では二人死ぬ.そのせいで,ここで採用されているのは第二の時間線.プレコグ予知システムは崩壊する.というか監督が崩壊させたかったのだ.ブチ壊しである.根底を崩壊させても,自分が殺すと予測された人物と対面したトム・クルーズにあの台詞を言わせて客にシステムの暗黒面を見せつけたかったのか? 結論.ディック方面から入るのなら,これは下の下で駄作もエエとこ.「お前,いったい何を読んだのだ?」となるは必定.だけど,映画としてはとても面白いんだな,これが (苦笑).

 『トータル・リコール』はアクションだったが,原作 "We can remember it for you wholesale", (追憶売ります) はギャグというほどでもないけど,軽快で人を喰った作品.人によっては「おちょくっとんのか!」と怒り出すかも知れない.これも原作からすればあっち向いてるけど,映画としてはすこぶる面白い.

 ディックの映画は駄作ばっかりなのに,ディック原作を謳った映画はどれも面白いってのは謎 (笑).ま,『クローン』もそこそこだったし.あとは『スクリーマーズ』だな,観てないのは.『ブレラン』? あれは論外 (笑).ありゃもうディック原作ですらなくて,リドリー・スコット作品だし〜.

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2004.05.30

雑記 (2004.05.30 - 23:53:46)

[ 前口上 ]

 意識的に見てたんではないけど.

  • 強殖装甲ガイバー

    OVA? けっきょく全 6 話見てしまったような (笑).いやぁ,暑苦しい. 1989〜90 年の作ということだが,それ以上に古い感覚がする.ギャグとして見てましたよ.わはは.でも,腕がスパーンと切り取られて飛んでったり,その断面が見えてたり,血飛沫びゅんびゅんだったりと,その辺りの残虐描写は今ではもう見られないだろうな〜.あ〜, OVA だと話はまた別かな.原画マンに岸田隆宏というクレジット見つけて,おお〜.

  • アイドル防衛隊 ハミングバード

    これも OVA? 第 1 話だけ見た.いやぁ,これ『ぴちぴちピッチ*1』にしか見えんかった (笑).え? 「ピュア」になってんの? 戦闘してたんだけど,なんかいきなりライヴ・ステージになっちゃってるし.んでもってそのライヴがまた冗長でテンション低くてあれれれ〜. 1993 年の作らしいけど,ま,それはエエとして,このヒロインたちの中の人たち,アイドル声優グループ「ハミングバード」なるグループを結成して ライヴもやってた らしい.しかも,その中には三石琴乃さんの名前も.ううむ,ちょっとだけ恐いもの聴きたさで聴いてみたい気もするんだけど,不謹慎ですかそうですか.ま,おれらの年代でもとロック小僧 or ロック小娘なら「ハミングバード」はふつ〜デフォルトで「Hummingbird」だよな. 1st の CD が家のどっかに転がってると思うけど.

 Sun May 30 13:56:58 JST 2004 現在,室温 27 ℃.暑い

*1: ついこの前,呆っとしてたら,第 61 話「恋の練習曲」をやってたので下世話な興味でつい観ちゃったですよ.どんな内容だったか,もうすっぱりと忘れてるけど,歌が上手くなってたのにはびっくり.こんなん「ピッチ」じゃねぇよ (笑).まぁ, 23 点ぐらいだったのが 52 点になった程度だけど,それでも倍以上だ.一応ふつうに聴けたし.わははは.喋くりは相変わらずヘタレてたけど.やっぱ「継続は力」だねぇ.

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Stratos 4 Code:113 Final Approach (2004.05.30 - 02:20:08)

 あらら,なんかパタパタしてる間に終わっちったよ.なんか 8 + 5 ぐらいに二極分解してしまった印象だけど,なかなか佳かったんでは.ま,終わったからそういう感想を抱くのかも知れんけど.最終話でもホルストもどき,『木星』もどきが聴けたしね.しかし,この最終話,やっぱ尺が足りんかったのかな〜.いまいち余韻がないんですが…… 最終話 ED が 1 分ちょいと短いのも原因かも.曲は佳いのに.

 変更後の OP のラスト,機体が紙飛行機になって飛んで行くのはなかなかよろしい.って,今頃気付いたんかぃ (笑).

 なんか OVA もある ようなので,機会があれば観てみたいかも.

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2004.05.29

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち #06 新しい仲間を求めて (2004.05.29 - 10:37:36)

 原タイトルの "The Raid" の意味は「(略奪を目的とする)侵入 」とか「(競争会社などからの社員の)引き抜き」だそうな.というわけで,エフラファからの引き抜きに失敗したヘイズルは,近辺の農場に飼われている兎を引っ張ってくるために「暴走」.順番は忘れたけどこのエピソードは原作にあったのを覚えてる.ヘイズルが撃たれ,キハールが弾を抽出するところも.「黒い石」を抜き取る役がキハールだったかどうかは覚えてないが.

 何匹かいた飼われ兎だが,付いてきたのはクローヴァ (♀) だけ.ううむ,被害に比して得るところ少ないな〜.ヘイズルは熱に浮かされてるが如き己の無鉄砲さを反省するべし.

記憶による私家版用語集

火の棒
火器の謂だが,ウサギにとってみれば狩猟用の銃を意味するものと思われる.
黒い石
「火の棒」が放つもの.弾丸.被弾することは黒い石に「噛まれる」と称する.
シルフレイ
巣穴の外ですなる食事またはその時間,だったかな.
アウスラ
コロニー内武装組織.警察,軍隊のような集団.確か漢字で書くと「上士」.組織のトップは「組頭」だったっけ.構成員は意識的にはエリート集団なのかな〜?
インレの黒ウサギ
死神,黄泉の国よりの使者.
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光と水のダフネ #19 潜水艇よもぎ一号未だ浮上せず (2004.05.29 - 01:59:39)

 #13 怒りを上げて 以来,お久し振りの四兄妹ご登場の回.カムチャッカ・シティの南方 3000km の海底に眠るエルピダのお宝探しの夢を諦めていない四兄妹が高速潜水艇アグネス号 (よもぎ 1 号) を奪い返す.ついでにそれに気付いて阻止しようとしたマイアは人質 (笑).んでマイアのエマージェンシー・コールでネレイスの面々が血相変えて追っ掛けてくる,と.今回けっこう詰め込んでるんで前後編になるんかと思ったら,コーダは至極あっさりと.マイアの意識もトんでるし.というか謎解きは次回以降になる…… のか? けっきょくアグネス号はまたしてもネレイスの手に (笑).

  • マイアが乗ったポッド,電圧低下に伴って音声コールのピッチが下がって行くという演出,ベタだけど面白い.
  • サランラップ状のシートになんたら光線当てて補修ってのはエエなあ.
  • ヘタレた絵が続いていたが,今回は復調したような.
  • RAM に移す際, DVD CM はばっさり切ってしまってたけど,ちょっと失敗だったかも.
  • 意図の有無は別として,今回はネレイスが完全に無能集団 (というか疫病神 (笑)) になっていたのが気になる.

 ノー・スリーヴのグラサン男って兄貴? まぁ,兄貴が居たなんて描写も今回初めてだが.ところで次回のタイトルは「ネレイスから遠く離れて」,「Once upon a time in Siberia」どっち? そういや "Il Barbiere di Siberia" なんて映画もあったな〜.

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2004.05.28

雑記 (2004.05.28 - 23:52:26)

[ 前口上 ]

 休肝日ならぬ休眼日が必要かも.

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恋風 #10 寒月 (2004.05.28 - 22:28:14)

 というわけで水島 "寺田寅彦" 寒月の回.なので,椎茸を喰って前歯が欠けたような話である (嘘言コクな〜).いや失礼,「首括りの力学」的な話である (こら〜っ!).

 双方とも場に札を出したわけだが,耕四郎の方は緊張感に耐えかねて戦闘放棄敵前逃亡を画策.なんだ自制できんと思っとるのか.ダメじゃん.とまれ,引っ越し計画はうやむやのうちに解消されるんではないかと思ったが,今回だけでは決着付かんのな.とりあえず引っ越すのか.しかし,それって却ってヤバくないか? 「もう逢わない」って,引っ越し先を隠し通せるのか.あっさりバレてドアを開けたら七夏が外に立っていて,なんて状況で自制できるのか,家の守護から離れて.

 千鳥さんはズバリと指摘「夜逃げ」.

  ED の絵が変わっていた.浜辺を歩く四人家族のロング・ショットだったが,今回はもっと近くに寄っている.

 録画失敗した第 5 話 だが,さらに補完にも失敗しているのが判明.録画していたのだが,誤って消してしまったようだ.なんてこったぃ.

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ゴットフリート・ケラー『村のロミオとジュリエット』 (2004.05.28 - 01:19:01)

 第二期広島時代 Book One だったと思うけど,佳く覚えていない.ううむ,並木通り近辺だったかな〜? たぶん, 50 円とか 100 円とかそんな値段だったはず.

  • ケラー "村のロミオとジュリエット", 他一編 伊藤武雄 訳, 角川文庫, 1953, 1960, (Gottfried Keller "Die Leute von Seldwyla, I", 1856, 1874)

 言わずと知れたディーリアスのオペラ A Village Romeo and Juliet (村のロミオとジュリエット) の原作.角川文庫ってぇのが珍しい.岩波文庫版で頭 4 行,ケツ 3 行の「ちょっと突き放した感じ」または「斜に構えた感じ」の理由は,こちらを読めば佳く判る.原著者序の最後に「そしてゼルトヴィーラでなくつては見られないやうな,さういふ奇妙な落穂を拾つてみたいと思ふのである」とある.まぁ逸話集の体裁を取ってるわけだ.「ゼルトヴィーラ」はこの短編集の共通舞台となるスイスと思しき国にある架空の村.んで,引用で判るように正字正仮名.収録されているのは,序文の他に,『ふくれつ面のパンクラーツ (Pankraz, der Schmoller)』と『村のロミオとジュリエット (Romeo und Julia auf dem Dorfe)』.オペラの方,マッケラスが振ったのはオペラ映画にもなってるけど,純粋に映画にしても佳いかも.絵的なシーンがいっぱいあるし,なにより入水で終わる悲恋物語ってのが…… ううむ,今時分ウケるかなぁ?

gutenberg.spiegel.de の関連リンク

 一般的には 岩波文庫 の方が入手容易.

  • ケラー "村のロメオとユリア", 草間平作 訳, 岩波文庫, 1934, 1972 改訳, 1973, (Keller "Romeo und Julia auf dem Dorfe", 1856, 1874)

 手持ちのは ISBN なんぞない時代のものだけど,現行版は ISBN4-00-324255-6 という型番が付いている.もちろん買ったのはこちらがずっと先で,学生時代.日付けによるとメレディス・デイヴィスの全曲盤を買う半年ぐらい前だな.

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Mazda ロータリー・トルーパーズ (2004.05.28 - 00:14:29)

 たまたま見た Project X で「どっか見覚えある風景だな」と思ったら Mazda の宇品工場 (の向洋付近) だった.というわけで, Mazda のロータリー・エンジンの巻き.開発スタートが 1957 年とかで,すでに 50 年近い歴史があることにちょっとびっくり.でも,面白かった.ま, NHK のこのシリーズで取り上げるのは,基本的に成功したプロジェクトばかりだから,見てる方も黄門様のノリだよな.

 でもさ,「ロータリー 47 士」ってネーミングはないよな〜.「四十七士」って,本懐は遂げるのかも知れんけど,けっきょくみな処刑されたり自刃するわけだろ.むしろ海援隊をもじって「廻転隊」とでもすりゃ佳かったのに.

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2004.05.27

トーマス・マン『ファウストゥス博士』 (2004.05.27 - 23:03:26)

 さすがにこの分量 (後述) だと時間が掛かる.

  • トーマス・マン "ファウストゥス博士", トーマス・マン全集 第 6 巻 円子修平 訳, 新潮社, 1971, 1976, 表題の他に, "ファウストゥスについて", 円子修平 訳, "『ファウストゥス博士』の成立", 佐藤晃一 訳 を含む. (Thomas Mann "Doktor Faustus", 1947, "Über den >Faustus<", 1948, "Die Entstehung des Doktor Faustus", 1949)

 高校 3 年の 6 月に買っている.もちろん実家には置いてあるであろう分は別にして,手元にあるのでもこれより古い本はたくさんあるけど,これより古い時期に買ったものはごく少ないというより思い付かない.途中抜けがあるものの,それ以来ずっと手元に置いてきたわけだ.最初に読んだのは高校の図書館から借り出したものだが,なにせ長大な小説である.一冊分丸々だと 26 字 x 24 行 x 2 段組 x 665 pp ある.単純計算で 400 字詰原稿用紙 2075 枚に相当する.携帯に楽なようにと後に入手した岩波文庫だと 3 分冊になっているぐらいだ.まぁ借りて読んでしまえばそこで終わりなのかも知れないが,この本の場合はちょっと違う.実はこの本のことを知ったのは小学生の頃だ.ヤなガキだな,おい (笑).なんせ話が話なんで子ども向きにリライトできるようなもんでもなく,中学まではおあずけだったのだが,やっと高校に入って巡り会った訳である.読んでしまって是非手元にも置いておきたくなって入手,というか買ってもらった.このとき岩波文庫版を知っていたのかどうかは不明.

 この長大な小説は副題のとおりファウスト伝説をベースに据えてニーチェの生涯にシェーンベルクの音楽理論を重ね合わせて綴った, 一友人によって物語られたドイツの作曲家アードリアーン・レーヴァーキューンの生涯 (Das Leben des deutschen Tonsetzers Adrian Leverkühn erzählt von einem Freunde) なのだが,クラリッサの自殺の件など自伝的要素も含まれている.執筆開始は 1943 年の春である. 1933 年,ナチス政権樹立の年にスイスに亡命, 1938 年にはアメリカに亡命していた.第二次大戦ももはや先が見えている頃だ.完成は終戦後になったが,主人公の精神崩壊は同時にドイツ精神史の破滅と崩壊でもある.それを作者は遠い異国の地からじりじりするような焦燥感に駆られつつも注視しているわけだ.まぁ,そんなことはどうでもよい.とにかくこの本も読み出すと止まらないから,思いっきり読みまくれば佳い.

 有名なヴェンデル・クレッチュマルの講義「ベートーヴェンは何故ピアノ・ソナタ作品 111 に第三楽章を書かなかったか」は pp.54-59.恥ずかしながらバックハウスを聴いたのはこれを読んでからだったりする.この頃,九州で医者をやってる同級生に借りたポリーニのアナログ盤は,あとになって CD を買った.その後グルダの全集も入手したけど,刷り込みでポリーニのがリファレンスになってる.

 ルドルフ・シュヴェールトフェーガーが主人公にヴァイオリン協奏曲を要請する場面, あなたならきっとすばらしい作品が,デリアスやプロコフィエフよりも遙かに立派な作品が出来るだろう と,唐突に Delius の名前が出てきているのに気付いた.お〜,第一次大戦後はドイツでは Delius は忌避されていたという話だが,アメリカだと事情が異なるのかな.アドルノの手が入ってるのかな.そうなんですよ,楽理関係はアドルノの校訂が入ってるのだ.とまれ,トーマス・マン (あるいはアドルノ) にとってはディーリアスの協奏曲はそういうポジションにあったということで.

 たぶん,もっとも印象的なのは,以下の部分だろう.

 わたしは部屋を出ようとした,すると彼はわたしを姓で呼んで引止めた,「ツァイトブローム!」と呼んだのである,その声にもきわめて厳しい響きがあった.そして,わたしが振り向くと,
「ぼくは発見した」と彼は言った,「あれは在ってはならないのだ
「何が,アードリアーン,何が在ってはならないのだ?」
「善であり高貴であるものだ」と彼は答えた,「人が人間的なるものと呼ぶものは,善であり高貴であるにもかかわらず,在ってはならないのだ.そのために人類が戦い,そのために圧政の城を襲撃し,そして遂に戦いに勝ったものたちが歓声を挙げながら告知したもの,それは在ってはならないのだ.それは撤回されるだろう.ぼくがそれを撤回しよう」
「ぼくには,アードリアーン,君の言うことがよくわからない.君は何を撤回しようというのだ?」
「第九交響曲」と彼は答えた.そしてわたしは待っていたけれども,彼はもう何も言わなかった.

[新潮社版 p. 489 より ]

 全集版は持ち運びに不便な代わりに,「成立」が収録されているという利点がある.ゼレンとアードリィは同一人物である (p. 579) なんて記述があったりして侮れない.レーヴァーキューンの死をツァイトブロームが語るという構図は,もしかしたら狡猾で圧倒的な音楽の暴力に対する文学の復讐なのかも知れない.あまりに単純ではあるけど.

 ところで, May 27, 2004 現在,岩波文庫も絶版で入手困難になってるみたい.いやはや困ったもんだね、全く.まぁ,おれが持ってるのも 1996 年のリクエスト復刊っつ〜腰巻きしてるから大きなこと言えんけどさ.とにかく書誌データでも挙げとこ.

  • トーマス・マン "ファウスト博士", 全 3 冊 関泰祐, 関楠生 訳, 岩波文庫, 1974, 1996, ISBN4-00-324344-7, ISBN4-00-324345-5, ISBN4-00-324346-3
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ibm の linux cm (2004.05.27 - 00:54:50)

[] [ 網物系 ]

  ページ はダサいけど, CM はけっこうエエかも.というか,ちょっと見て「お!」と思ったんだけど,映像だけみたいだな〜.言ってることは相変わらずコテコテだ (笑).まぁ,今までの CM がいかにダサダサだったかという証左でもあるだけど.今んとこ "Linux is READY" しか見たことないけどさ.テリー・ギリアムにお金貢いで "1984" 以上にインパクトあるヤツ作ってもらいなよ.

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2004.05.26

忘却の旋律 pt.3 鼠講谷 #08 すでにばれた (2004.05.26 - 23:05:19)

 お〜? お〜! お〜〜〜〜〜.ぽんっ.

 何か今回はいつにも増してエロティックなシンボリズムに溢れていたような.黒猫の爪を折るかのように,ユニコーンの角を折るって,そりゃ去勢そのものじゃんかよ.あとで折った角を返す場所も.

  • 彦山絵市氏は早々に姿を消す.絵の完成とは,絵を破壊することだった.
  • 「ジャスト・フィット・リム!」って何なんだろ.
  • 金谷みりさんの怒り声は迫力あるな〜.さすがにクロエや中島陽子の中の人.
  • 「鳴弦.セレナードの心」…… ここで吹き出さんでどうする (笑).セレナードって,もともと猫の発情泣き声と同じ意味だぜ.
  • 「鳴り響け.あたしのメロス」で赤面してるボッカ (笑).何処見てんだ,お前.まぁ,あんなところに聖痕あったらしょうがないか.
  • 遠音さんのキメ台詞は「ストレート・フラッシュ」.こちらは延びません (笑).
  • 主倒れし後もあくまで金谷みりさんに従う執事さん,カッチョエエ.
  • ダムが崩壊すると隠されていた道も顕われた.
  • タイトルの「選択」は角を折ったときになされた,ということでよろしいですな.
  • そういや今回も「モンスター怪獣を撃破しただけ」だったな〜.おまけに谷一つ潰して集落を水没させてしまった訳で,よけい質悪いか (笑).
  • 無事奥地に向けて旅立ったので,これで第 3 部終わり.え? 次は猿?

 「鬼児」に深い意味はなかったようで,共同体から忌み嫌われているのもその出自が原因だった.ということは共同体の成員は,鬼児が実はゼンゼン・シティにおけるユダのようなもの,一種の道標であることを知っていたことになるが.じゃぁ芽のうちに摘んでしまえば佳かったのに.とまれ,鬼児に「命令」できるのは覚醒後のメロスの戦士だけのようで.谷を離れた遠音さんは己が嫌っているメロスの戦士であることを自覚して帰ってきた,と.まぁ,きっかけを作ったのはボッカの無知だったが.そんなこんなで遠音さんは角を「鬼児」に返し (って,あんたどこに差し込んでんだよ!) て,本来の姿に戻す.まぁ,けっきょくはメロスの戦士を一人発掘したわけだ.でも,金谷みりさんと年齢近いはずなのにセーラー服なのは何故? (笑)

 武装演劇集団? それって,状況劇場緋テント舞踏派が暗黒舞踊派を分離結成したのちに,舞踏派と武闘派にさらに分裂してできた一派のことか? (違いますってば)

 佳く考えなくても初っ端の第 1 話から忘却の旋律は赤髪なんだよな.ううむ,ラスボスは彼女なのだろうか? それともサタンがそうであるように,彼女はモンスター・システム内に於ける反モンスター派のモンスターなのか.

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爆裂天使 #08 傷だらけの逃亡者 (2004.05.26 - 22:07:00)

 カラス型モンスター怪獣の話 (だから違うって) の続き.まぁ,「命令不服従」という程度で,内部抗争とまではいかんかったな.また,案外あっさりと元の鞘に収まったというかレヴェル・アップしたもようですな.レヴェル・アップの原因は無理矢理キャリアにされた立場無恭平くんの存在で,こういう訳だったのですな〜.ただし,一度入った亀裂は完全には修復できんと思うので,これは次回以降においても無気味な持続低音を奏でるであらう.

  • ドラッグ・ストアの件はおもろかった.へぇ〜.
  • カラス型モンスター怪獣 (モンスター・モンスター?) と云えば,灰髪の左二の腕に聖痕あるのな.あと弓があれば完璧ってか.

 昔の読み返すと 2 話で切りましょかね とかホザいてんだけど,順調に観て保存してますな〜.なんだかな〜.でも 1 話でも録画ミスったら,そのまま脱落しそうだけど.

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美奈子さん CM (2004.05.26 - 00:14:54)

 中島博幸氏からネタというか質問が来て,「美奈子さんがアリナミンの CM で歌っている曲は誰のなんつ〜曲か?」.当該 CM 見たことないんだけど,偶然とは恐ろしや,見ることができた.横になって半分寝ながらだったんでアレだが,この曲はシューマン (Schumann) の『トロイメライ (Träumerei)』ですな.『子どもの情景 (Kinderscenen)』に入っとるよ.

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2004.05.25

Gantz #07 やべェ! (2004.05.25 - 23:04:15)

 顔付が幼児化というか退化するだけならまだしも,体型も変容しちゃってて,エイケン状態ってのは嘘言だけど,なんだかな,もう.とか言ってる間に再呼集.この辺までにしとくか,ということで MTV は中止, RD-X3 もレート落とそ.

 第 3 話 で「玄野ってオーオタ?」って言ったけど,あれれ,なんかいつの間にかふつうの 2 ウェイ小型ブックシェルフになっちゃってるよ.でも横幅が異様にデカいけど (笑).

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Madlax #08 魂言 - soul - (2004.05.25 - 02:00:06)

 あれ,エリック・ジランも記憶に障碍あるんだっけかって前回ルシールさんの台詞にあったような気もする (笑).でも記憶を解放したとたんに Madlax の眼前で死を選ぶわけだけど.戻った記憶の中には Madlax の名前も含まれていたのだが.

  • クアンジッタ・マリスンさまの中の人はまこ姐でしたか.これは気付きませんで失礼をば.
  • あのちょくちょく出てきた電波娘はレティシアという名前.ようやくダイアログでの登場.
  • ||: サークス,サーク (スペル判んね),Elda Taluta :|| なんか「灰には灰を」っぽい語感.なんとなくポーの「メロンタ・タウタ」思い出したり.
  • サルオンの「箴言」かな「神言」かな.「真言」かも.エリエス文字.
  • カンナビノイド (cannabinoid) って大麻の有効成分らしいけど,もともと内的に 脳内に存在する そうだ.それはエエとして「分泌(ぶんぴつ)」ってなんだよ,と突っ込もうとしたが岩波国語みると「ぶんぴ」も「ぶんぴつ」も有効らしい.あらら (笑).
  • カロッスア・ドーン氏,あんた偽報告していったい何を企んでいる?
  • エリック・ジラン氏の回想は絵も演出も迫力あるな〜.
  • ペギィ (マーガレットお嬢さま) パスタ好き.
  • バートン家所有のエリエス絵本は The Secondary と呼ばれる第二の書物らしい.つまり,この本は 3 冊が現存し,それぞれ絵の部分が微妙に異なる.その相違部分を洗い出してある配列に従って並べると……
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2004.05.24

John Coltrane "The Complete 1961 Village Vanguard Recordings" (2004.05.24 - 21:25:28)

 神戸.おそらく新星堂.たぶん出てすぐの頃.

  • John Coltrane "The Complete 1961 Village Vanguard Recordings", ユニバーサルビクター MVCI-17005/8, 1997

 買ったのは国内盤だが,中身は外盤 (Impulse! IMPD4-232) で日本語ライナーを付けて帯を巻いたもの.詳細は忘れたが,当時店頭では国内仕様の方が安価かったという記憶がある.間違いかも知れん.

 1961 年 11 月 1 - 3, 5 日のライヴ・セッションは従来 "Live at the Village Vanguard" (1962), "Impressions" (1963), "The Other Village Vanguard Tapes" (1977), "Trane’s Modes" (1979), "From the Original Master Tapes" (1985) と,かなり バラけた状態でリリース されていた. 1993 年の段階ではすでに 11 月 1 日,11 月 2 日,11 月 3 & 5 日という 3 枚に別れた状態に収束していたらしいが,これに未発表のテイク 3 曲を加えてレコーディング順に並べたのが今回の 4 枚組.トラックは 22 曲だが実際は 10 曲. "India" や "Spiritual" なんかは 4 テイク入ってる.メンバーは, Coltrane, Dolphy, McCoy Tyner, Reggie Workman, Jimmy Garrison, Elvin Jones の 6 人が中心で,曲によって Garvin Bushell のオーボエと Ahmed Abdul-Malik のウードが加わる.ベースがダブルなのが眼を引く.お, Roy Haynes がタイコ叩いてるのが 1 曲だけある.まぁ今から 40 年以上前のしかもライヴ録音だし,ゲインのばらつきやらマイクがターゲットを見失う部分もあるけど,気にならない.ドラムスとベースがしっかり録れてるのが有り難い.オーボエがまるで Machine 時代の Karl Jenkins なのが笑える.もちろんこちらの方がずっと上手いけど.

 ちょっと調べてみると 1961 〜 1963 年の北欧ツアーでのライヴも 6, 7 枚組の箱仕様でまとめられているみたいね.おれの場合,最初に買ったコルトレーンが 1961 年のストックホルムのライヴ.吹奏楽部に所属していた高校生の頃.これに入ってる "My Favourite Things" でのエリック・ドルフィのフルート・ソロには魂消ましたな.後年 1963 年の同じくストックホルムのライヴと組み合わせて 2 枚組で出たけど,それも買った.さらに後年 Charley 盤の CD 買ったらエラく音悪くてがっかり.音佳くなってるんなら買い直したいかも.

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2004.05.23

本日の収穫:ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち, 創造的進化 (2004.05.23 - 23:08:59)

 この非常時にとうとうやってもた…… ダイジョブなんか > をれ. 1 は,たなべ書店 (西大島), 2 は くまざわ書店 (錦糸町).今読んでるのが相当分量あるんで,読めるのはかなり先になりそうだが……

本日の収穫:讀物

  1. リチャード・アダムズ "ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち", 新装版 上下巻 神宮輝夫 訳, 評論社, 1989, ISBN4-566-02088-6, ISBN4-566-02089-4 (Richard Adams "Watership Down", 1972)
  2. ベルクソン "創造的進化", 真方敬道 訳, 岩波文庫, 1979, 1997, ISBN4-00-336451-1 (Henri-Louis Bergson "L’Évolution Créatrice", 1907)

 『ウォーターシップ・ダウン』の購入理由は明白.ほんとは文庫版が欲しかったのだが, 2 巻組単行本しかなかった.それでも文庫新本 2 巻を買うより安価かった.評論社さん,ごめんなさい.それはそうと,これ読み出したとして,放映より先走りせんように我慢できるんか? というわけで,シールド未開封.

 この歳でベルクソン? ってな向きもおありだろうが,これは野次馬的文献である.買ったのはフルカバー版だが,カバーなし旧タイプの帯の煽り文句でもこの場合有効なので,購入理由は その帯の文句 を参照.「ふら〜〜〜〜っしゅ!」もここから出てきたのではないかと推測.ソレは跳躍,飛翔,感情の高まりという意味の名詞だからね.

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錦糸町にて:Minority Report, MIB II (2004.05.23 - 22:31:48)

 拝借物返却に行ったついでに いつものパターン.往きの途中で西大島で下車して,たなべ書店.昼は藩,夜は五右衛門と,まぁいつもとはちょっと違ったコース.往きは曇りでやや肌寒い.晩飯時には雨.還りには止んでいたが.

 インスタント珈琲のカンパを頂きました.感謝.

  • 『マイノリティ・リポート』. PDK 原作なのはエエとして.トム・クルーズ主演,スピルバーグ監督ということで,思いっきりバカにしてた.テリー・ギリアムの『ブラジル』の一件以来,アンチ・スピルバーグなもんで.ところが観てびっくり,面白ぇでやんの.アクションもあるけど,基本的にミステリですな. 2 時間超と,かなり長尺で途中ダレる部分もあるけど,畳み掛ける展開は佳いです.原作すっかり忘れているんで,読み返してみようっと.
  • 『MIB II』.前回ほどではないけど,パート II にしては上出来なんじゃない? こういうバカ映画はへんに思想性を持ち込むととたんに糞化するけど,その辺注意深く糞土化する寸前で除いていたようで,なかなかでした.
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